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「…、」 一瞬、どきりとさせられただろうが。 薄気味悪いくらい、似ていた。 シンさんは眼鏡をかけていたから、雰囲気がまるで違ったが。 高校の頃の彼奴がそのまま大人になって、俺の前に現れたみたいだった。 あの顔で誘うとか、それこそ冗談だろ… 「、…あー…」 心臓付近をぎゅ、っと掴む。 何本もの皺が出来た。 くっそ、痛ぇ。心臓が、苦しーわ。 「…誰か。暇な奴いるかなー」 …もうやめてくれよ。 もう忘れさせてくれよ。 痛み出した心を紛らわすかのように、携帯を耳に当てる。 「あー…。佳祐ー、今日相手してくれー。」 は。 バーテンダーやってる間の俺とは偉い違いだな。 目の前の現実に、苦笑するしかなかった。
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