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それからというもの―― 『望月さん、同じものを』 「…もうやめておいたほうがいいですよ。」 ――シンさんは週に一度は店を訪れるようになった。 頬をほんのり染めたシンさん。 とろんと目が垂れている。 「もう酔い回ってるじゃないですか。」 『……ですかねー。』 自覚ないのかよ。 突っ込みたくはなったけど、一応場所が場所なので弁える。 ちらりと腕時計を見る。 PM23:53 もうすぐ閉店時間だ。 …まだ残ってる他の客にも迷惑になるし。 取り敢えず、外連れてくか。 横にいる女の子に視線を移す。 「忍ちゃん、忍ちゃん」 『…はあ。なんでしょう。』 声をかければ、鬱陶しそうにその金髪の少女がこちらを向いた。 どうやら名前を二回呼んだのが気に入らなかったらしい。
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