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「違う。…違いますから。」
そういうわけじゃない、という意思表示として首を振る。
『…』
「…」
シンさんを嫌ってるわけじゃない。
ただ――
『じゃあ、俺の方向いて』
――その優しい囁きに、心が揺らぎそうになる。
「…、」
何も言うな。
俺を惑わすな。
『嫌いじゃないなら、目、合わせて』
一段と柔らかく、諭すような口調。
やめろよ。
…そんなに、切なそうに吐くな。
俺の中に踏み入ろうとするな。
「…」
再度、首を振った。
心臓がどくんどくんと切なさに呻く。
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