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「いっ、――」
カリっと。シンさんが歯を立てた。
ねっとりとした甘い刺激が、微かな痛みへと変わる。
その痛みで、ふと我に返る。
「やめろって…!」
グッ。
顔を埋めているシンさんの胸板を押して、その勢いで立ち上がり、一歩後ろに退いた。
「な…、何して、」
『…何って。望月さんがこっち見てくれないから。』
黒光りする眼光が、鋭く俺を見据え離さない。
「…ふざけないでください。」
『ふざけてない。』
目尻が少し上がり、反論は許さない、と言うかのように真剣な面持ちを浮かべる。
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