2

11/15
前へ
/67ページ
次へ
搾り出すように、そして声を荒らげた。 きっと情けない顔をしてるだろうな、俺。 でも。 もしこのままシンさんを許してしまったら――― シンさんは、そんな俺の様子に嘲笑うかのように薄い唇に綺麗な弧を描いた。 『へえ。そういうこと言うんだ』 「…え」 ――――な。 目が細められると同時に、白く透き通った艶かしい顔が近づいてくる。 『そんなの、戯言にしか聞こえないけど』 それに逃げるように一歩後ずされば、ドン、とひんやりとした冷たさが背中に触れた。 「、」 ――――!? 後ろを横目で確認すれば、店の、白い壁だった。 それでもシンさんとの距離は逃げ道を塞ぐが如く、徐々に縮まっていく。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加