3/26
前へ
/67ページ
次へ
相変わらず、俺への当たりが強い。 こいつを引き取ってから今まで、笑った顔を見たことあっただろうか。 …いや、無いな。 「餓鬼にはこの良さが理解出来ないんだろ」 『変に大人ぶるよね、思春期丸出しな行為してるのに』 「とっくに成人迎えてるって」 『精神が餓鬼なんだよ。私と一緒、隆太さんも。』 「…」 ―――最もだ。 着替え出す彼女を横目に、言い返せない自分を哀れに思い、また有害な煙を吸い込む。 『…いい加減やめれば?』 「なにを。」 『分かってるくせに。』 呆れたように鼻で笑うと、金色の髪を高く上げ、赤色のヘアゴムで結んだ。 煙草なのか、それとも不特定数の人を抱くことをか。 後者だろうな、と苦笑い。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加