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尋ねようとしたことを、マスター・アキさんは俺が口を開くよりも前に言った。 (さすが元芸能人) 人より一歩先の所作をする。 「えっと、」 『奥だよ』 アキさんは一際薄暗く、影になっている方を指す。 …またか。 「ありがとうございます」 『いーや。ゆっくりしていってね。』 アキさんの物腰の柔らかく、穏健な雰囲気に癒されながら、花の添えられた花瓶の奥側の席へと向かう。
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