見えない流れ

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「また、あなたったらお金バラ撒いて」 私が電話を切ると妻は不満そうに言葉を出した。 「そんなことばかりしてたら、お金貯まらないじゃない」 「君には、落ち着かない想いをさせてしまって悪いと思っているよ」 「そう思うなら、早いところ止めて下さい」 「だけど、無駄な使い方をしているわけではないし、むしろ・・・」 「人のためって、言うんでしょ。でも、そういう使い方は本当のお金持ちがすればいいことでしょ」 「君の言い分も当然理解出来る。だが、それは逆なんだ」 「何が逆なの?私には分からないわ」 私がそこで答えるのを止めると、妻は呆れて部屋を出て行った。 妻が納得してないのはもちろん承知だが、仮に私が説明したとしてもやはり理解は得られない。だからこそ、これ以上の話し合いは関係を悪化させる。
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