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画面の左半分にはとある少女の顔写真、右半分には所属、名前、性別、生年月日、身体的ステータスが上から順に表示される。
「『桜西(おうせい)高校 研究部所属』『中原あおい』、『女』、『2000年2月19日』、『159センチ』……ってオイ、体重はどうした? スリーサイズも空欄のままになってるし……」
右上の小さなバツ印をタッチすると、中央のウィンドウは瞬く間に消え、
「もう、大地くん。女の子にデリケートなこと訊いちゃダメだよ?」
目の前に現れた顔写真と同じ容姿。ただし写真に写っていたノーマルな表情とは違い、僅かに憮然としてはいたが。紺色の細いツインテールを肩甲骨に垂らし、両肩付近を赤のリボンで結う髪型が特徴的なその少女は、パッチリと柔らかな瞳を前方の少年に向け、
「それでどう、ちゃんと現実に溶け込んでる?」
ややか細いが、おっとりと可愛らしい声で少年に問いかけた少女、――中原(なかはら)あおい。
少年は黒のヘアバンドをズラし、整髪料で固めたオレンジ髪を上に整えながら、
「心配すんな、全然違和感ねぇよ。それにしても、このレベルのARをまさか高校生が開発するなんてな。高校生ってのもあながちバカにできないモンだ。同じ高校生として鼻が高いっ」
白のメガネを模った『パラレルレンズ』を耳に掛け、清潔感溢れる広いスペース全体を見通すように、少年――逢坂(あいさか)大地(だいち)は様々な角度からレンズ越しの世界を興味津々に覗き見る。
顔を綻ばせたあおいは大地に右手を差し出し、
「あれ、聞いてなかった? それを作ったのはレミちゃんたち高校生だけど、結局は『未来人の落とし物』に入ってた理論や設計図(データ)を再現しただけだってこと?」
「ああ、そういやぁそんなこと言ってたっけか。ほーん、その落とし物ってヤツ一度お目にかかってみてーな。なんか面白そうだ」
観察を続ける大地に対し若干むくれるあおい、差し出した手をソワソワと動かし、
「そろそろ私にも貸して。私だってAR見たいもん」
「へへ、悪い。あと五分だけ待ってくれ。《コンプレックスフィールド》とやらに何か潜んでるかもしれないし」
「ここ、振興会館だよ? ここのネットワークじゃ何にもないって」
「んな夢のないこと言うなよ、何かあるかもしれないだろ?」
しきりに顔、視線を動かす少年。すると、通路を歩く小柄な金髪の少女を見つけ、
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