第1章

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4月から温めて来た、俺の企画。最終選考まで残ったものの、最終的には先輩の企画が採用された。 ここで決定した企画は、来年の4月に本格始動する。その為に、今年度は準備期間に入る。 採用されなかった企画開発部のメンバーは、来年度に自分の企画が採用されるように案を練りつつ、採用された企画始動に全面協力をする事になった。 そりゃ、最初から俺の企画書が採用されるとは思ってなかったが、それでも真剣に取り組んでいた物であり、やはり多少はショックなのである。 来年は先輩に続くことが出来るよう、切り替えて行かなければならないが、今日位は落ち込んでも許されるだろう。 幸い、今日は金曜日。酒を飲んで眠ってしまおう。 そう思い、冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、俺はテーブルの脇に座り込み飲み始めた。 缶ビールを3本空にしたころ、いつもなら心地よい眠気が襲ってくるのに、今日に限ってそんな様子もなく、冴えてしまっていた。 ふと、お腹が空いていた事を思い出す。 「…しょうがねぇ、あそこ行くか。」 思い立ったら、すぐにスーツからTシャツとジーパンに着替え、サンダルを突っ掛け家を後にした。
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