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「おぉ!和樹くんじゃねぇか!本当久々だなー!待ってたぜ!元気だったか?」
久しぶりの再会に、親父さんはわざわざ厨房から出てきて俺を歓迎してくれた。
「親父さん、お久しぶりです。色々忙しくて中々来れなくてすいません。」
「いいって事よ!こうしてまた来てくれたんだからな!ほら、こっち座れや!」
「はい」
親父さんはそういうと、俺をカウンターの奥に案内した。
ここは、俺の指定席である。
「尚ちゃーん!和樹くんに水なー!」
「はーい!」
厨房に戻りつつ、親父さんは皿洗いをしていた女の子に声を掛けた。
初めて見る顔だ。
「御注文はお決まりですか?」
女の子は、水を運びつつ尋ねる。
「んじゃ、日替わりで。」
「あ、やっぱりあなたが噂の日替わりお兄さん?」
「…え?」
謎の呼び名に俺が疑問を持ったと同時に、厨房から親父さんの笑い声が聞こえてきた。
「尚ちゃん正解。こいつが和樹くん。日替わり定食しか頼まない常連さん。」
あぁ、なるほど。だから日替わりお兄さんね。
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