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夜11時過ぎ。店内の客は居なくなり、俺と親父さん、尚ちゃんだけになる。
今日の日替わり定食は、鯖の味噌煮定食だった。
綺麗に平らげた俺は、親父さんが追加でサービスしてくれたつまみとビールですっかり寛いでいた。
閉店作業を終えた親父さんと尚ちゃんと、晩酌の始まりだ。
「あ、尚ちゃんは未成年だったね」
「はい、なのでウーロン茶で失礼します」
「大人になったら一緒に飲もうな!」
「はい、楽しみです!」
よくよく見ると、尚ちゃんは目がクリクリと丸く、鼻筋も通っており可愛らしく、美人の顔立ちだ。
「尚ちゃんって、モテるでしょ?」
「いえっ!そ、そんな事ないです…」
「いやいやー、もし同い年だったら、俺は絶対好みだったなー!」
「…そんな事ないです…」
そういうと、尚ちゃんは恥ずかしそうに真っ赤になって俯いた。
うん、やっぱり可愛い。
新たな癒しを見つけた。
「和樹くんよー、そんな事言ってたら咲子ちゃんに怒られんぞー」
「あー、大丈夫ですよ。別れたんで」
俺はサラッと報告した。
親父さんも尚ちゃんも、ポカンとこっちを見ていた。
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