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誰か
ウチは父親が長男で、じいちゃんばあちゃんが一緒に暮らしていたため、盆や正月、法事の時などは、たくさんいる父親の兄弟が家族連れでやって来る。
従兄弟もそりゃあ大勢いて、集まればみんなできゃーきゃーわーわー。家中どこもかしこも騒がしい。
俺は一番年上なので、自然と、従兄弟連中のまとめ役だ。大部屋に全員分の布団を敷いてもらい、さあ今から寝るぞという時など、俺が号令をかけて点呼をする。
「よーし。電気消す前に、全員いるか確認。左の布団から番号」
「一」
「二」
「三」
「四」
続々と返事が戻る。
………。
「十六」
「十七」
「十八」
よし、総勢十八人、揃ってるな。
確認を終え、電気を消して、俺は目の前の布団に潜り…かけた時に気づいた。
従兄弟は総勢十八人。それは俺を含めた数だ。
あれ? じゃあさっき、十八って言ったの誰だ?
そして、今俺が寝ようとした布団に、もう横たわっているのは……誰?
誰か…完
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