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君と再び
「華、早く起きなさい。いつまで寝てるの?遅刻しちゃうわよ」
今や小早川家の朝の恒例行事となった、寝坊の華を起こす母の声が、家中に木霊する。
憧れの高校に合格して、早1年、華は晴れて2年生になった。
夢みていた高校生ライフとは若干違い、勉強と部活に精一杯ではあったが、充実した日々を送っている。
「きゃあ、ママなんでもっと早く起こしてくれなかったのよ。朝練にぎりぎりじゃないっ」
慌てて飛び起き、華は身支度を整えて台所へと向かう。
そこには、いつものように母が準備してくれておいた弁当と朝食用のおにぎりがあった。
それを急いでカバンに詰め込み、玄関へとダッシュする。
「行ってきまーす」
挨拶もそこそこに華は外へと駆けだして行った。
学校まで走らないともう間に合わないっ、テニス部で鍛えた自慢の足を駆使して、華は学校へと急いだ。
途中、華は見たこともないくらいカッコ良い少年とすれ違う。
光に透ける髪は絹糸のように美しい銀灰色で、透き通るような白い肌とキリッとした瞳が印象的だった。
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