君と再び

2/12
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
一瞬、目を奪われて華は立ち止まる。 少年は、華と同じ高校の制服を着ていた。 学年章を身につけていないので、学年までは分からなかったが、見覚えがない顔なので、他学年なのだろう。 こんな人と付き合えたら、憧れの恋愛ライフを送れるのに……、そう妄想して、華は我に帰る。 「あっ、朝練に遅れちゃう」 慌てて華はその場を後にした。 一目散に駆けだしたので、華は残された少年が口にした言葉を聞くことが出来なかった。 少年は宝物でも探し当てたかのようにキラキラした瞳で、華の後ろ姿を見つめていた。 「ハナ、約束通り迎えにきたよ…」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!