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一瞬、目を奪われて華は立ち止まる。
少年は、華と同じ高校の制服を着ていた。
学年章を身につけていないので、学年までは分からなかったが、見覚えがない顔なので、他学年なのだろう。
こんな人と付き合えたら、憧れの恋愛ライフを送れるのに……、そう妄想して、華は我に帰る。
「あっ、朝練に遅れちゃう」
慌てて華はその場を後にした。
一目散に駆けだしたので、華は残された少年が口にした言葉を聞くことが出来なかった。
少年は宝物でも探し当てたかのようにキラキラした瞳で、華の後ろ姿を見つめていた。
「ハナ、約束通り迎えにきたよ…」
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