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クラス中もとい、クラスの女子中に歓声が上がった。
身長推定185㎝、顔が小さくて頭身は9ちょい、素晴らしく均整の取れた身体に乗る顔は、これまたすこぶる美しいときたもんだ。
これでは、クラスの女子が騒がない筈がない。
しかし、華が声を上げたのは、そのせいではなかった。
そのイケメン転校生が、華が今朝すれ違ったシルバーアッシュ髪のキリリ少年だったからだ。
「ハナ、嬉しいよ。おんなじクラスになれるなんて」
開口一番。
自分の名前を言うよりも先に喋ったのが華の名前だったので、クラス中の痛い視線が華へと注がれた。
(なんで?なんで?なんでぇ?)
華の疑問符には、勿論、誰も答えてはくれない。
彼の名前は美丘 琥一(みおか こいち)、 その他諸々自己紹介が続いたが、華の耳には一切入っては来なかった。
華の心に今あるのは、彼が華にもたらすであろう変化への期待と不安だけだった。
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