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「ここは華と僕との思い出の場所だから」
そして琥一は、シャツの首元にしなやかな指を差し入れて、中から紐にぶら下がった緑色の勾玉を取り出した。
華の瞳が、驚きで見開かれる。
「それっ、て…」
それは華が幼稚園の時に、自分を助けてくれたワンコにあげたものと同一のものだった。
「なんであなたがそれを持っているの?あのワンコとあなたはどんな関係なの?」
矢継ぎ早に質問してくる華に、琥一は少し困ったように微笑む。
「うーん、実際に見てもらうのが一番なんだけど、ハナ、びっくりしないでね」
そう、言うと琥一はその場でブレザーやシャツを抜き始めた。
「ちょっ、ちょっと待って。なんで服を脱ぐのよっ」
焦って目を手で覆う華を見て、ようやく琥一も華が困っている事に気が付く。
「あっ、ごめん。でも上だけだから。ちなみに、びっくりしないでって言ったのは、この事じゃないよ。服着てると、破けちゃうから……」
そう言うと、上半身だけ裸になった琥一は、目隠ししている華に自らの腕を握らせた。
「僕だって分かるように、握っててくれる?」
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