第一章 始まりの日

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そう、此処はハンターギルドであって、それこそ僕以上の腕利きなんて幾らでもいる 依頼書は一先ずポケットにでも入れておいて、僕はさっき空けられた穴から外の方を見た そこには何十人もの武装した集団が集まっていて、その内の一人が担いでいた武器はソ連製のロケットランチャーであるRPG-7だ 入手のし易さや、構造の簡潔さから第三勢力にまで幅広く普及しているそれでギルドの壁を爆破したのだと理解するが、それでもこのハンターギルドの真正面からそれを撃ち込むとは予想外だ ハンターギルドは報酬次第で依頼を引き受けるけど、つまりそれはあらゆる方面で犯罪組織などからの恨みを買うという事になる ハンターギルドという組織が発足してから十年程になるが、それでも通りを歩いていたハンターが犯罪組織の恨みを買って襲撃されるという事件は、かなりの頻度で起きている 勿論、犯罪組織から恨みを買うようなハンターが簡単にやられるような力量の持ち主という事はなく、大多数が撃退されているのだが、中には酒に酔った帰りを襲われたりといった状況で命を落とすハンターも居るのだ 今回は何が目的かは分からないけど、こういった街でこういった襲撃は日常茶飯事という扱いなのは、僕だって知っている そして、此処でハンターとして登録した以上は、僕もあの武装集団を撃退する責務があるんだ 既に腕の良いハンターが各々の武器を持って反撃を開始、向こうも銃を撃ち始めた事であっという間に此処は激しい銃撃戦の主戦場となってしまった 僕も《タイタン》を抜いて射撃、ハンターは如何なる理由があっても人を殺してはならないという規則に従って、スタンモードで物陰から撃つ レーザー系の武器が警察にも採用される理由だが、その内の一つが出力を抑える事で非殺傷のスタンモードに切り替える事が出来る事がその理由だ よってハンターの間でも殆んどの人がレーザー系の武器を扱っているトワイライト社製の武器を使うのだが、さっき僕と依頼の取り合いをしていた彼もまた《ロキ》を構えてフルオートで射撃、敵の鎮圧に乗り出していた 改めて彼の装備を見てみると、装備は《ロキ》にサイドアームとして僕と同じ《タイタン》、後はレーザーナイフであるTWKN-2019《カゲロウ》だ そして防具は軽装という事もあって、どうやら敵を強襲する前衛タイプの人間のように思えた
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