第一章 始まりの日

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「ハハッ、どうよオレの実力!」 確かにアサルトレーザーライフルをフルオートで放っておきながら、無駄弾が一つもないのは大した実力だが、どうやら彼は慢心しているらしい その背後、見え難い位置からハンドガンで狙っている敵が居る事に、全く気付いていないようだからね 仕方なく、僕は物陰から飛び出して、その敵が狙い易い位置へと移動を始める 走りながらも銃口を敵に向け、可能なら走りながらでも撃つ そんな僕の動きに気付いたのは二人、その敵と、狙われている彼だ 「おい、まさかオレを撃つ気か!?」 「当たりたくなければ動くな!」 その射線が彼と被りそうだったのだが、そこはあまりやりたくは無いのだけど、少しだけ《本気》を出して正確に敵だけを狙い撃った 《タイタン》から放たれたレーザーはそのまま直進、彼の十数センチ横を通り抜けて敵へと命中した スタンモードの一撃を受けた敵はそのまま地面へと崩れ落ち、失神したようで、僕は再び敵の数が多い正面入り口へと攻撃を続ける 位置的に、ハンドガンでの狙撃は難しい距離だけど、牽制程度にはなるだろうね 「ワリィ、助かった」 「貸しにしとくよ。その内、利子含めて返せば問題ないから」 「ハンター同士の貸し借りって高くつくんだよなあ。まあ、まずはやる事やっちまうか!」 ぼやきつつも、彼は切れたエネルギーパックを交換し、再び弾幕を張る エネルギーパックは魔力を持つ人間なら魔力での補給が可能だけど、少し時間が掛かる為に銃撃戦の最中にやる馬鹿は居ない やるとすれば最後の手段だけど、普通は予備のエネルギーパックを持っておくのが普通だ それにトワイライト社は大抵の武器は魔力の有無に関わらず使えるように設計しているから、エネルギーパックも昔の実弾式の弾倉に比べたらかなり軽くて携行し易いし、一人で十個の予備を持っている人も居るくらいだ それに、スタンモードは威力の関係で通常のバトルモードよりもエネルギー効率が良い為、装弾数は倍近くになるから、状況はこっちを殺す気で来ている向こうの弾切れによって此方側が優位となり、次第に捕縛される敵の数が増えて、最終的には撃退に成功した 誰がどれだけの成果を挙げたかは分からないけど、今回の戦闘に参加した全員にギルドからの報酬も支払われた しかもそれなりの額だったから、暫くは食うに困るような事は無さそうだ
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