第一章 始まりの日

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報酬を受け取ったとはいえ、いつかは無くなる物だし、それにハンターは軍人や警官なんかと違って武器が支給されるなんて事は無い 例外があるとすれば、既に依頼人の側で用意している場合とかだけど、大抵の依頼は武器を持参する事になる だから報酬を全て生活費に回すなんて事はせず、貯蓄したりしてより上位の武器に買い換えるといった事も必要になる 今回の報酬で、僕も一つ上の装備に切り換えようと思っているんだけど、ハンドガンとレーザーソード、どちらを強化しようか それともいっその事、アサルトレーザーライフルかレーザーサブマシンガンといった武器を新たに購入しようか、迷う 暫く悩んだ結果、今の装備に新たな装備を加えるという方針に決めた 次の依頼を終わらせて生活費の分を稼いだら早速近くのガンショップに寄ろう、そう考えて先程の依頼書を受注カウンターに持っていった 「すみません、この依頼を受けたいんですが」 「はい、分かりました。えっと、荷物の輸送ですね。依頼書にあるように、敵対勢力に狙われている代物のようですので、注意して下さい。それと、依頼書には最低二名以上と書かれていますが、お連れの人は居ますか?」 「えっ?そうなんですか?」 しまったな、依頼は荷物の輸送というところしか見ていなかったから、人数までは見ていなかった まだ来たばかりの僕と組んでくれるようなハンターは居ないだろうし、そもそも此処に居るハンターは殆んどが既にチームを組んでいる そうなるとこの依頼は諦めて、別の一人用の依頼を引き受けるべきだろう そう結論付けて、依頼を断ろうとした時、背後から声を掛けられた 「その依頼、オレも一緒に受けて良いか?」 「あ、さっきの」 声の主は先程の青年で、確かにさっきの戦闘でそれなりの実力があるという事は確認したから信用も出来る それに、元から同じ依頼を受けようとしていたなら、やる気も十分だろう 「はい、依頼書には二名以上と書かれていますから、問題ありませんよ。よろしいですか?」 「あ、はい、彼を含めた人数で受注します」 「分かりました。依頼主には此方から連絡を入れますので、返事が返ってき次第、指定された場所に向かって下さい。それまでの間、ギルド内で待機をお願いします」 こうして、僕は彼と組んで依頼を受注した 共に性格の違う前衛タイプだし、組んでも特に問題は無いだろう
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