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一人は黒髪で、でもハーフなのか目は碧い女性、そしてもう一人は褐色に銀髪だが、その笹穂耳からダークエルフ族という事が分かる女性だ
前者はともかく、ダークエルフ族の女性は一目で分かる、この人はかなりの場数を踏んでいる猛者だと
別に傷がある訳でも、見て分かる程に体を鍛えている訳ではない
そもそもエルフ族は弓が得意な部族なのに、背中に背負っているのは対物レーザーライフルであるTWAMR-2025《トール》だ
レーザー系武器にも関わらず、それなりの重量があるその化物のような銃を軽々と扱っている事も、その猛者の雰囲気を助長している
「初めまして、新人君。アタシはレーネの上司みたいなもんだ。マスターって呼んでくれて構わない」
「私はマグノリア・タキガワです。同じく、レーネさんとマスターをサポートするオペレーターをしています。名前は長いので、マギーと略して下さい」
二人は僕に対してそう挨拶をしてくる
だから僕も慌てて挨拶をして、名乗り返した
「あ、僕はエミル・ヘルツェンバインといいます。今回はレーネさんにお世話になりました」
改めて見ると、この二人もまたレーネに負けず劣らず凄く美人だ
美少女と呼ばないのは、二人には既に少女というよりも大人の色気が強くて子供よりもお姉さんといった雰囲気が強いからだ
「聞いてるよ、レーネからね。それで、早速だが本題に行こうか。エミル・ヘルツェンバイン、うちのチームに入れ」
思わず見惚れていると、マスターはそう僕に言った
その言葉の意味を理解するのに、少しばかりの時間を要したが、理解した僕は思わず声を上げてしまう
「えぇっ!?僕が貴方達のチームに!?無理です無理です!簡単に死んでしまいます!」
故郷の街で一番の強さという僕の自信は、同じくらいの年齢であるにも関わらず圧倒的に僕よりも強いレーネの存在を知って簡単に崩れている
ましてやそのレーネと、それ以上の強さを持つ彼女達のチームに入るなんて、分を弁えないにも程がある
僕だって夢があるのに、それを途中で投げ出して死にたくはない
まずは此処で実力をつけて、それから危険な仕事を受けていこうと考え直したのだ
それをいきなりこの人達のようなレベルでいけば、直ぐに命を落とすのは火を見るより明らかだ
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