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「言っておくが、アタシは諦めたり無理だっていう言葉が嫌いなんだ。それに、レーネだって《灰被姫》なんて呼ばれているが、本格的にハンター稼業を始めたのは半年前になる。その前の鍛え方が半端じゃないって事もあるが、それでもアタシが見るに半年前のレーネより少し劣るくらいだ。何よりも、アタシはこのレーネに防御をさせたってのが気に入った。今はダメでも、アンタはきっと腕の良いハンターになるよ」
「僕が、そんなに?」
正直に言って信じられないが、これほどの強さを誇る人物から言われると自信が出てくる
僕がまだ強くなれるというのであれば、それが例え険しい道だとしても、選ぶだけの価値はある
「分かりました。僕は、貴方達のチームに入ります。まだ未熟者ですが、よろしくお願いいたします」
「堅苦しいのはアタシも苦手だ。そこまで畏まる必要は無いよ」
「はい、マスター」
さてと、僕はこうして契約を結んだ訳だけど、ちょっと残った問題を解決しようか
「ところで、アレンはどうする?」
「そうだな。オレはお前となら組んでいけると思ったが、また振り出しに戻ったか。まあ気にするなよ。オレはオレでまた仲間を探すさ」
そう言うとアレンはまだ体に麻痺が残っているだろうに、僕達に気を遣ったのか、医務室から出ていこうとした
だが、それを引き留めたのはレーネだった
「何してるのよ、アレン。一応は幼馴染みなんだから、アンタも一緒で良いわ」
「マジでか!?助かったぜ!実を言うとな、オレも今まで一人で高難易度の依頼を受けられなくて稼ぎが少なかったんだ!アレン・ブランデール、お世話になります!」
「それじゃあ事務所に行きましょうか。マスター、今日は新人歓迎祝いって事で、パーティーにする?」
「おっ、良いねえ、それ。それじゃあいつもの店に寄ってから帰ろう」
「聞いた、マギー?今日はマスターの奢りだって♪」
「なっ!?レーネ、アタシは一言もそんな事は言ってないぞ!?」
「それでは私がマスターは財布を管理しましょう。マスターが無駄遣いするので、出来ない程度に消費させますよ」
「マギーまでか!?ちょっ、アタシのタバコ代まで削らないよな!?」
随分と自由なチームらしいけど、僕も楽しそうに思えるチームだから、やっぱり入って良かったなあ
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