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そのまま逃げ続けていたけど、状況は更に不味い事になった
普段なら通れる筈の道が、何処の馬鹿の仕業か、隣接していたビルの一部が崩壊、道を完全に塞いでいた
別に瓦礫を登れない事は無い、ただ、背後から十数人のギャング達に撃たれながら無事に登り切れるかが問題なんだ
「へっへっへっ、追い詰めたぜ餓鬼共」
「手間取らせてくれやがって。楽には殺さねえ」
「一匹オマケで増えてるが、構うもんか。稼ぎが倍になるだけだからなあ」
ギャング達はこっちを見て完全に勝ち誇っている
まあ確かに僕等に勝ち目は無いけどさ、勝算も全く無いけどさ
「畜生、死ぬならグラマラスな姉ちゃんの胸の中が良かったぜ」
「アレン、君意外と余裕あるでしょ?」
「あのなあ、エミル。こんな時だから冗談が出るんだぜ?ずばり現実逃避ってヤツだ!」
「畜生!殺すなら殺せ!」
もうお手上げだ、何の打開策も思い付かない
ああ、思えば短い人生だったなあ、まだマトモに女の子と付き合った事も無いのに……
そう思っていたら、何だかギャング達の様子が変わった
これは、口論をしているのか?
「おいテメェ、コイツ等はウチの獲物なんだよ。勝手に横取りしようとしてんじゃねえぞ?」
「あ?知るかよ。オレ等の獲物だぞ」
「やんのか、あ?」
「上等だ。喧嘩売るなら買うぞコラ?」
これはもしかしたら、二つのグループの間で抗争が始まって、その隙に逃げられるかもしれない
やった!まだ希望はある!
「まあ待てよ。元からお互いに一匹だけ追ってたんだろう?なら、半分ずつにしておこうぜ?な?」
甘かったぁぁぁぁぁ!畜生あのギャングめ!何で冷静に物事を見てやがるんだ!
「それもそうだな」
「ああ、問題ねえな」
その言葉に納得して、互いにガン飛ばしていたギャング達も揃って僕達に銃を向けてくる
今度こそ万事休す!もうお仕舞いだぁぁぁぁぁ!!
「全く、帰りが遅いと思ってたら何やってるのよ、アンタ達は」
だけど撃たれたのはギャング達の方だった
頭上から掛けられた聞き覚えのある声に、僕等も視線を上に向ける
崩壊したビルの瓦礫の山の頂上、そこから灰色の髪を頭の左側でサイドテールにした女の子が二丁拳銃を構えながら見下ろしていた
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