プロローグ

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彼女は瓦礫の山から飛び降りると、そのまま二人のギャングの顔面に着地して、再び上に跳んだ そのまま空中で宙返りしつつ、真下に居るギャング達を射撃、今度は地面に降り立つ その様子は美しくて、思わず見惚れてしまう程に綺麗だ 「灰色の髪に二丁拳銃!?コイツ、まさか灰被姫(シンデレラ)!?」 「邪魔よ!」 最後に残ったギャングも、彼女の放った蹴りで顔を殴打されて吹き飛んだ 足を高く上げての蹴りは彼女の得意技だけど、短いスカートだから僕等にとっては眼福だ 「白か……」 「だね……」 「何見てるのよ!?このド変態!!」 『ギャアァァァァァ!?』 彼女は間違いなく僕達の味方だ、それでもスカートの中を見た事は彼女にとって限り無く赦せない事らしい いや、まあ確かにスカートの中を見ていた僕達が悪いんだけどね、それでも見ちゃうのが男として生まれた業なんだよ 「スタン弾でも痛いな……」 「喋れるだけマシだよ、本気で撃たれたら消し炭だもん……」 「フンッ!自業自得でしょ!折角助けてあげたのに、私の下着を凝視してるくらいだものね!」 それに関しては本当に弁明の余地は無いんだけど、出来れば他の方法で制裁されたかった いくら彼女が銃をスタン弾で使っていたとしても、痛い物は痛いんだ 銃で撃たれるよりは、まだビンタとかの方が良い、痛みが少ないからだ いや、彼女の場合、ビンタでも大惨事になるかもしれないか…… 「ほら、行くわよ。マスター達も待ってるんだから」 「分かった!分かったから引き摺らないで!」 「あだだだッ!?削れる!オレの顔が削れる!」 彼女に引き摺られ、動けない僕等は運ばれていった 何故彼女の細腕で僕等を引き摺る事が出来るかというと、それは魔力を使って身体能力を強化されているからだ 服の首辺りを掴まれている僕はまだしも、アレンは足首を掴まれているから、顔が引き摺られている 痛そうだけど、これ以上彼女の怒りを買うような真似はしたくない僕は、無言で引き摺られていった 僕等が解放されたのは事務所に到着してからだけど、ちゃんと運んでくれる辺り、彼女は口では不満を漏らしても、優しい人だと思う
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