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テロリスト側は大量の作業用アーマードを武装させて米軍を蹴散らした
異世界同士の戦争、第一次異世界間大戦において、異世界フロンティア側の代表として戦った国家、ドラグ国の主力兵器であるアーマードは全高二十メートル近くの人型兵器だ
既存の兵器を遥かに凌駕する性能を見せたアーマードは、その後ドラグ国の国軍、《竜の騎士団》から発展した企業、トワイライト社から、あらゆる武装や機能をオミットされ、作業用として販売された
市販されたアーマードはとても戦闘に使えるような性能ではないが、地球の各国はこれを購入、自国でのアーマード開発の基とした
大企業ともなればアーマードを数機保有してもおかしくはないが、今回投入されたアーマードは全て武装し、装甲も厚く改造された物だった
対する米軍の兵器は戦車やヘリ、確かに動きの鈍い作業用アーマード程度なら大した障害にはならなかっただろう
しかし、敵は作業用アーマードを改造していた、故にミサイルや砲撃により、米軍は敗れたのだ
そして起きたのがこの惨劇であり、犠牲者の数だ
どれだけ歩いたか分からない、何処に向かって歩いていたのかも分からない、でも突如として、僕は吹き飛ばされた
見ればテロリストのアーマードがその腕に、作業用の釘打ち機を改造したらしい銃を向けていた
それが直撃していれば僕の命は簡単に消し飛んでいただろう、だが向こうも照準器の精度が甘いのか、当たらなかった
体の右側が妙に軽いし、視界も右目は何があったのか見えない
だから僕は自分がどうなったのか確認する暇は無かった、でもテロリストのアーマードが僕に狙いを調整している事は、その駆動音を聞いていれば分かる
逃げようにも逃げる為に体が動かない、僕は僕の死を覚悟した
そして鳴り響く轟音、しかし、飛来した砲弾に貫かれたのは僕ではなかった
その時、僕は見た、上空から舞い降りた黒い天使の群れを
その天使達はそれぞれ手に持った武器を使うと、瞬く間にテロリスト側のアーマードを撃破していく
一方的な攻撃、あの悪魔のようなアーマードが、為す術も無く蹂躙されていく
やがて、その中でも特に動きの鋭い天使が僕の近くに舞い降りると、手に剣を握り、更に近付いてきたアーマードを斬った
近くで見て、漸く僕はあれが天使でない事を理解した
本物のアーマードを駆る、少数で世界を敵に回した最強の軍隊、《竜の騎士団》だと
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