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悠がメイドとして屋敷にきて一週間が過ぎた。
仕事にも慣れた彼女の今日の仕事は…
目の前のテーブルにうず高く積み上げられたシルバーの食器を磨くことだった。
小皿に始まりナイフやフォークまで…
今までもその量に驚いた悠だったが一週間もすれば慣れたもの。
磨き残しないように完璧に仕上げる。
「だいぶ仕事が板についてきましたね?
物覚えが良くて嬉しいです。」
「最初はビックリしました。
慣れって怖いですね?」
そんな会話をしつつ悠の手は休みなく動く。
その横で葛葉は食器の数を数えている。
昼食の時間をはさみなんとか全て磨きあげた。
種類ごとにケースに収納し専用の部屋に移動させる。
ケースの数は多いが台車もあり悠でも持てる大きさなので大丈夫。
「御主人のところにお茶を持って行ってきます。
それが終わったらダイニングの掃除をお願いします。
今日はそれで終わりにしましょう。」
「マスターのところですか?
わかりました、行ってらっしゃい。」
葛葉を見送り、悠は移動の続きを始めた。
全てを運び終え、葛葉が用意した紅茶とチーズケーキで小休憩をしたあと一人ダイニングの掃除に取りかかる。
最初の二三日は葛葉が常に側にいる状態だったが、一週間もすると彼女に仕事を指示して別の仕事をしているらしく一緒にいる時間はあまりない。
(信頼して貰えたのかな?)
などと思いながら日々指示された仕事をこなす。
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