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軽いノックの後見たこともない重厚感溢れるダイニングの扉をゆっくり開ける。
長いダイニングテーブルには葛葉が座りゆっくりとコーヒーを飲んでいた。
一瞬戸惑うもゆっくりと彼に近づく。
コーヒーを片手に悠を頭から足先まで確認した後満面の笑みになる。
「サイズも丁度良かったようですね?
なかなか似合ってますよ~」
「えっと……
ありがとうございます……」
「やはり一緒に生活するなら可愛い子の方が良いですからね~
コーヒーを入れてますから正面に座ってもらえますか?」
「はい…
失礼します…」
葛葉の言葉に戸惑いつつも自分の分であろうコーヒーの置かれた椅子に座る。
カップからは良い香り。
一口口をつけるとほろ苦い味が口一杯に広がる。
「飲みながらで構わないので仕事について軽く説明しますね?
クッキーも良ければどうぞ?」
目の前のクッキーに目を向けるがそのまま目線をあげ葛葉を見る悠。
仕事の説明と聞いては真剣に聞かないわけにはいかない。
自分はそのために来たのだと…
「真面目ですね?
良い子が来てくれて私も嬉しいです。
簡単に言えば貴女の着ている服の通りの仕事をして貰うというだけの事です。
いくつか注意点をのぞけば自由にしていただいても構いませんし、食事もしっかり出ます。
まぁこの屋敷から出ることは出来ませんけどね?」
笑顔を見せる葛葉とは対称に厳しい顔つきになる悠。
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