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そのやりとりを見ていた音吹は椅子に座り
「演奏自体は上手いんだが。どうも息が合わないんだよな…」
とボソッと呟き
「いいか?この曲『グラチチュード』は曲調が急変する。難しいのを分かっていてお前達が選んだんだ。弱音を吐かず奏できりなさい」
音吹の言葉に全員は
「はい!」
と大きな声で返事をした。
「あ、え、えっと…もう一回合わせてみよう。それでまたリーダー会議をしようか」
色川がそう言うと皆迷いなく頷いた。
「それじゃあ、いくよ」
色川は右手に持つ指揮棒を頭の高さまであげるとふぅと息を吐き、優しく指揮棒を下ろし指揮棒で宙を撫でるように指揮を始めた。それに合わせ各々が自分の楽器を奏でる。
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