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「いや、このままいこう。慣れてる練習法でやるのがいいと僕は思う」
色川はそう言ってから
「どうかな?」
と同意を求めた。
「私は色川に賛成。大会前に慌てて変えるのもどうかと思うし」
三木は頷く。
「それもそーだな」
渡辺も頷いた。
「今日の会議はここまでにしよう。いつも長々と会議はさせてごめんね」
色川が謝りつつ会議をしめると渡辺はノビをして
「そう、謝るなよ。俺達は好きでお前の指揮に従うって決めたんだ」
バックを肩にかけた。
「そうそう。むしろ『あれやれ!これやれ!』って命令してもいいんだよ?」
田宮はイタズラっぽい笑みを浮かべる。
「色川君は、その…間違ってないから」
木下に続けて
「間違ってたら私達は『それは違う』って言ってあげるんだからね」
流崎は可愛く星を飛ばす。
「もっと強気でいいと思いますよ」
長崎は眼鏡を押し上げる。
「優しいところも私達が色川君についてく理由の一つだけど」
羽田が言うと
「だから明日の練習もよろしくね」
と吉田も微笑む。
「ま、そーゆーことだよ色川。」
三木はまだ座っている色川の肩を軽く叩いた。
「んじゃ、また明日な」
渡辺を始め皆順番に色川に手を振りながら音楽室を出るが唯一教室に残った木下は色川を見て
「皆、色川君のこと頼りにしてるんだよ。でも、頼りすぎだよね?教室の戸締りまで任せちゃってるし……待ってあげてもいいと思うのに」
とかわいく頬をふくらませた。
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