第02話 ~端緒~

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848a0900-4be7-4ef7-a5d8-1044e3259f4d 大陸の中央、フラクシズ地域の北にタウチット、中央西の海の側にイェンセンがある。 馬車で8日以上はかかる距離だ。  2人の間に暫く静寂が流れた。  聞こえるのは校舎や運動場の女生徒達の声や扉の開け閉めする音。  暖かくやさしい風が2人の間を通り過ぎる。  この時ルコリーはどんな顔をしていただろうか。  サユは見えないし、ルコリー自身どんな表情をしていたかわからない。  それどころではなかった。  ルコリーの頭の中は色んな言葉や事柄が駆け回り、 それらを吟味し整理するのに一生懸命だった。  無理もない。  今まで何不自由なく暮らしていた少女には、 いきなり理解しろというには難しすぎる事柄が多すぎた。  歩いていると、いきなり地面が消えて地底の暗い闇へ落ちていく気分。  そんな気持ちの中、ルコリーの出した答えは…
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