第01話 ~入校~

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 わからない事があったら何でも聞いてくださいな!!!  そうそう学院の中を今のうちに案内してさしあげますわ!!!!」  ピンクの派手髪の生徒が大きな声で一気にまくしたてた。 「あの…耳が悪いとは先生はおっしゃっておりませんでしたわ…」  後ろに控えてた2人の生徒の小さい方が注意する。  サユは無表情に、大げさに耳に指で栓をするジェスチャーをした。  実際栓をしたいぐらいうるさかったのも事実。 「私は元から声が大きいのですの!」  普通のトーンに声を落として話すピンクの髪の生徒は、 少し顔を赤らめ不機嫌そうな顔をした。  サユのスケッチブックがせわしなく開かれる。   ”ありがとう”   ”トイレはどこですか?”   ”質問があります”  立て続けにページが開かれメッセージを見せる。  サユはどのページに何が書かれているか全部覚えているようだ。  この時、遠巻きにしていた生徒達の顔から不安の色が和らぐ。  どうやらスケッチブックで最低限のコミュニケーションが取れるようだとわかったからだ。 「わかりましたわ、トイレもすぐに連れて差し上げますわ。  何でも聞いて下さいませ。  それから案内をして差し上げましょう。  その前に自己紹介が遅れました、私の名は…」  ピンク髪の少女が話す間、サユがスケッチブックをめくる。   ”ルコリー=バーキンさんはどこにいますか?” 「ルコリー…バーキ……えっ!?」
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