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わからない事があったら何でも聞いてくださいな!!!
そうそう学院の中を今のうちに案内してさしあげますわ!!!!」
ピンクの派手髪の生徒が大きな声で一気にまくしたてた。
「あの…耳が悪いとは先生はおっしゃっておりませんでしたわ…」
後ろに控えてた2人の生徒の小さい方が注意する。
サユは無表情に、大げさに耳に指で栓をするジェスチャーをした。
実際栓をしたいぐらいうるさかったのも事実。
「私は元から声が大きいのですの!」
普通のトーンに声を落として話すピンクの髪の生徒は、
少し顔を赤らめ不機嫌そうな顔をした。
サユのスケッチブックがせわしなく開かれる。
”ありがとう”
”トイレはどこですか?”
”質問があります”
立て続けにページが開かれメッセージを見せる。
サユはどのページに何が書かれているか全部覚えているようだ。
この時、遠巻きにしていた生徒達の顔から不安の色が和らぐ。
どうやらスケッチブックで最低限のコミュニケーションが取れるようだとわかったからだ。
「わかりましたわ、トイレもすぐに連れて差し上げますわ。
何でも聞いて下さいませ。
それから案内をして差し上げましょう。
その前に自己紹介が遅れました、私の名は…」
ピンク髪の少女が話す間、サユがスケッチブックをめくる。
”ルコリー=バーキンさんはどこにいますか?”
「ルコリー…バーキ……えっ!?」
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