第27楽章~月と太陽の二重奏を~

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「……預言」 ポツリとそう言葉を零したアレン。 「預言?」 すかさず聞き返す。 「ほら、覚えてませんか? 僕たちが教団に入る時、ヘブラスカに受けた預言ですよ」 「なんだっけ、それ」 「ウソでしょ!?」 「嘘よ」 「……………」 瞬間、空気がしらける。 「まぁ冗談はさておき。…あの預言か」 私たちがデュエットを組むきっかけとも言える、あの預言。 アレンは『月を秘めた時の破壊者』 そして私は『太陽の独唱曲』 「あの預言を考えると、ピッタリ当てはまるわね」 「そうですね……」 「…でも、『だから何?』って気もするけど…」 「あの、このペンダント身につけてみませんか?」 アレンがそう発案し、私もそれに同意する。 「そうね、もしかしたら土壇場でなんかミラクル起きるかもしれないし」 「それは…どうだろう?」 根が真面目なアレンは、私のテキトーな発言をマジに捉える。 そんなアレンを放っておいて、ペンダントを首に掛けた。 チェーンの長さも丁度良く、戦闘の時も邪魔にならなそうだ。 (…なんか、こういうお揃いのもの持ってるって…カップルみたい) 私がそう思っていると、アレンが口を開いた。ちょっと遠慮がちに。 「……なんか、こういうのって……」 (! な、なに!? まさかアレンも私と同じようにカップルみたいとか思って……!?) 「ますます『僕たち、パートナーです!』みたいな気がしてきますね」 思ってなかった。 「…あ、うん。そうだね」 テンションが急激に下がる。 (…まぁ、アレンだからなぁ。しょうがない) どこまでも鈍感なパートナーに、内心で溜め息をついた。 「…ミュア」 「ん?」 名前を呼ばれ、反射的にアレンの顔を横から見上げる。 これまでのように、パートナーとしての日々が始まるのだと改めて認識させる一言を、彼は言葉に表した。 「また、二重奏(デュエット)を」
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