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滅死ノ極光(アウローラ・ディサイド)。
ノアを退けた光の弾。
それは、どう見ても私自身が放ったものだった。
強大過ぎるパワーのせいか、映像がところどころ乱れるが、それでも威力の凄まじさは伺える。
映像は、私が倒れた所で途切れ、ドルチェはゆっくりと口を閉ざした。
ポカンと口を開けるしかない私。
「…やはり、覚えてないか」
「全っっっく、覚えてないです」
うーんと首を傾げるバクさん。
「アヴァンシア、キミはしばらくここ……アジア支部に留まってもらうことになる。構わないか?」
「はい……分かりました」
おそらく、色々と不確定要素が出てきたからだろう。
ノアの異常な怖がり方も気になるし、何より──
(私は…イノセンスを無くしてる)
戦場には、戻れないだろう。
(ごめん、リナリー…いなくならないって約束したのに)
視線を下に落とした私に、バクさんが話掛けてきた。
「アヴァンシア、動けるならウォーカーについていてくれないか?」
「……え?」
今…なんて。
「アレン…に?」
「あーあの白髪、生きてるぞ。今はイノセンスを復活させる訓練してる」
「!」
アレンが……生きてる!!
それどころか……イノセンスを復活!?
「それホントフォーちゃん!?」
「だからちゃん付けヤメロ!!」
☆
ベッドから飛び起き、身支度もそこそこに病室を出る。
バクさんを急かして、アレンのいる訓練所に向かった。
(アレンが生きてる アレンが生きてる)
それを聞いてから、脈打つ鼓動がとても熱く感じる。
まるで、胸に燃える太陽でも抱いている気分だ。
ドクドクと脈動する心臓。
その衝動に従ってか、自然と足が早まった。
「アヴァンシア! そんなに急がなくとも、ウォーカーは逃げんぞ」
「だって早く会いたいんだもん!」
ちゃんと顔を見て、心臓もしっかり動いてるか確認して……
それからじゃないと、安心なんてとてもできそうにない。
だって私は、こんなにも貴方(アレン)が好きなんだから!
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