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「せーかい」
軽い声。
しかしそれだけで騎士達は愕然とした。先程のセルジュを守れない絶望感など子供のおままごとでしかなかったと思うほど、深く絶望した。
かの盗賊団を相手に生き残れるはずがない、と。
恐怖に武器を手放さなかったのは騎士の賛辞があったからではない。引きつった体が手放す事を拒否したのだ。
既にセルジュの事は頭になく。
生き残る未来も考えられなかった。
「しっかりしてください」
セルジュの声が聞こえた。凛と、だけれど澄み通るような優しい声。
騎士達はハッとして今度こそ槍を構える。
守るべき人がいる事を思い出して、己が騎士である事を思い出した。
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