第1章

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「セルジュって言ったけ」 男は蛇のように目を細める。 「はい」 穏やかに微笑むセルジュに男は舌舐めずりした。 「お前が来るんならぁそこの二人は逃がしてやるよ」 勿論逃した後に殺すが。 その言葉はわざと飲み込んだ。 打算である。着いてくるならそのまま持ち帰る。拒否しても結局は無理矢理アジトに連れて行く。その時騎士は当然亡き者として。 騎士達は騙されるな、嘘に決まっていると男を詰る。 そして貴女を渡すくらいなら私が、と気合を入れている。 「さぁ、どうする?」 愉悦を噛み殺した様な男の問い掛け。 非道で残酷な究極の選択肢だ。
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