14人が本棚に入れています
本棚に追加
「セルジュって言ったけ」
男は蛇のように目を細める。
「はい」
穏やかに微笑むセルジュに男は舌舐めずりした。
「お前が来るんならぁそこの二人は逃がしてやるよ」
勿論逃した後に殺すが。
その言葉はわざと飲み込んだ。
打算である。着いてくるならそのまま持ち帰る。拒否しても結局は無理矢理アジトに連れて行く。その時騎士は当然亡き者として。
騎士達は騙されるな、嘘に決まっていると男を詰る。
そして貴女を渡すくらいなら私が、と気合を入れている。
「さぁ、どうする?」
愉悦を噛み殺した様な男の問い掛け。
非道で残酷な究極の選択肢だ。
最初のコメントを投稿しよう!