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「そうですね……例えば」
考える時の癖で顎に当てていた人差し指をピンと立たせる。
「貴方ならどうなさいますか」
「は?」
「ですから、もし、貴方がわたくしと同じ立場に居て、大切な方と貴方の命を天平にかけられたら、どうしますか」
男はセルジュの質問に面食らう。
まさか質問を返されるとは思わなかった。
が、答えは決まっているので直ぐに応えた。
「他人なんて助ける価値ねぇじゃん」
それに尽きる。
男の後ろで待機していた盗賊達も当然だろ、と頷いて同意を表していた。
「其れが、貴方方の頭領さんであっても?」
空気が凍り付いた。
そう錯覚させる程の殺気が盗賊達から放たれている。
騎士達は顔真っ青にし、冷や汗を流していた。
セルジュは平然と微笑んでいたが。
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