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「……王都にいると聞いたが?」
「えぇいましたね。ですがわたくしを思って逃げ道を作ってくれた方々の好意を無駄には出来なかったのです」
憂気にふぅと息を吐くセルジュ。
誰もが見惚れる色気を持つが、ノヴァは呆れたように指を額に当てる。
「待っていろと言っただろ」
「えぇだから、ずっと、貴方様をお待ちしていました」
さらりと返される返事に、しかしノヴァは呆れたようにまた溜息をつく。
その会話が周りにどんな影響を与えているのか無視して。
「と、頭領ー?」
「……何だよ」
「えーと、もしかしてお知り合いなのかなぁ……って」
ノヴァはセルジュを見る。
セルジュの瞳は伏せられたままだ。穏やかな微笑みをノヴァに向けている。
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