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ニュースは終わり、CMが流れる。どうやら明日には勝山の特集番組が組まれるらしい。そして明後日には勝山はこの世を去る。不完全な研究のままこの世を去る。そしてその責任は私にもある。 「大変お待たせしました。カキフライ定食です」 もう一度説得してみるか?また戻ってみるか?……いや、やめておこう。 …………何かが引っかかる。違和感がある。何だ? 「ふむ。やはりべちゃべちゃだし、牡蠣自体も悪いですね」 ……デジャブじゃない。私は先ほどやつのカキフライを一つ食べた。私はこの味を知っている。こいつがどうしようもなくまずいのを知っている。何故頼んだ?私は何でこれを頼んだ?他にもあるのに? そもそもヤツの犯行を説得するためにここに居たはず。なのに何で逆に説得させられた?そんな納得のできるようなことを言っていたか?言っていない。ただ単にそれっぽいことを言ってたに過ぎないじゃないか。なのに何で。 ”使う時は自然に” これはヤツが話してたことじゃないか? 自然に、そしてバレないように……まさかそういうことなのか?まるで私の意思で動いたかのように、私を操った?ヤツは人を操れる?私が能力を持っているみたいに、ヤツも? もう一度、ヤツを止めに行くか?いや、人を操れる力を持つ相手をどうやって止める?無理だ。 むしろヤツには近づくべきじゃない。関わるべきじゃない。放っておくしかない。 ……本当に? これは本当に俺の意思なのか? ヤツは自分を放っておくように私を操っているだけなのでは? ……わからない。 どれが俺の意思なのか。 どこからどこまでが私の意思なのか。 end
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