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「まぁそれなりに大変だと言っていましたけどね」 「というと?」 「能力ある者はそれを見せびらかせてはならない。他と違う者は疎外される。排除される。とのことだそうです。まぁそういうものでしょ」 「ほう。力ある者の宿命ってやつですかね」 「さぁ?力を見せるには、気を付けなければない、自分が他と違うことをバレてはいけない。使う時は自然に、とも話したっけな」 「なるほど。……バレてはいけないですか。共感できますねー」 共感?こいつも天才か何かなのだろうか。それとも、他と違う、ということだろうか。まぁ確かに変なやつではあるけれど。 ……ん、何で手をこっちに伸ばしてくるんだこの男は?え、マジで?嘘だろ? 「ふむふむ。このカキフライ美味しくはありませんねー」 勝手にカキフライを食べうえに、その感想かよ。やはり関わるべきではなかった。 「それに牡蠣だけでなく、衣もダメですね、べちゃべちゃだ」 うるさい。人が食べる前に言うんじゃない。しかし、別にインタビューをする気配はないし、記者とかではないのかもしれない。じゃあ、こいつは何で話し掛けたんだ?ただの頭のおかしいやつならそれでいいが(あんまり良くはないけど)、俺が勝山と知り合いだということも知っているみたいだし。 「で、俺に何か用があるんじゃないんですか?」 「え?ああそうですね。そう感じましたか?」 「まぁそれは」 「ふむ。なかなか鋭いみたいですね。まぁあれかな、とりあえずこのように言えば良いかな?」 「……」 「あなた、勝山を殺しますよね?」 へー、と俺は一応反応する。一体こいつは何なんだ?何者なんだ?これは面倒なことになりそうだな。やはり無視を通すべきだったのかもしれない。 「すみません、注文いいですか」とその男は店員を呼ぶとカキフライ定食を頼んだ。
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