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高校1年になった。
私、蒼井唯香。
まだ慣れない制服を着ながら、学校へ向かう。
いつも一緒だった幼馴染み。
そいつ等を置いて──…。
学校の周りは桜が咲いていた。
私がアイツ等と出会ったのも…こんな季節だった。
「温かい…」
ふっと笑うと、答えるように風が柔らかに吹いて…。
桜の花を舞い散らした。
学校に着くと、まだ数人しかいなかった。
「早過ぎた…か」
苦笑を漏らすと、目の前にはクラスが載ってる紙が張り出されてる事に気付いた。
私は、それに少し寄って見た。
名前順に書いてあるもんだから、蒼井…なんて名字、1番上を見たら大抵分かる。
…1年5組。
これが私のクラスだ。
知ってる訳は無いが、クラスの人の名前も見た。
「……え?同じ…?」
「ゆーいかっ」
と、同時に呼ばれて後ろを振り返る。
そこには、幼馴染みの3人。
「置いてくなんて、ひでぇじゃん」
狭山凌太。
「せっかく4人で同じ学校になれたのに」
広丘めぐる。
「んで、クラスはどうだったんだよ?」
そして神谷寛紀。
これが私の幼馴染み達。
「全員一緒だった。5組だよ」
「へぇ!すげぇな」
「早速クラス行ってみるか」
さっさと走って行くアイツ等。
「唯香も、早く行こう?」
くるっと皆が振り返る。
「うんっ」
こうして、私の高校生活は幕を開いたのでした──…。
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