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カーテンの隙間から漏れた太陽光が朝だと告げる。
「んっ・・・」
眩しいのか、寝返りをうって太陽の光から視線を逸らす。 そんな折、自身の寝るベッドに何かがのし掛かったような重量感が襲った。
「起きて・・・、起きてってばぁ!」
そう思ったのも束の間、ベッドにのし掛かってる少女と思わしき声が耳に木霊した。
「うぅ・・・あと五分寝かせてくれ・・・」
眉間に皺を寄せながら唸るように呟く。しかし、そんな事は露知らずと少女と思わしき声の主は少し大きめの声を張り上げた。
「うるさーい!!起きろったら起きろー!」
ベッドの布団を引き剥がし、カーテンを全開にする。その突然の事態に雪宮 悠人は目を擦りながらも目を開けた。
「・・・は? 何だこれは・・・夢・・・か?」
悠人は自分の上に乗っかってる少女を見て思わず呟いた。寝惚け眼か、脳が半覚醒状態のどちらかだったが物事を把握出来なかった。
───────家にこんな美少女はいなかった筈だが?
そう思わずにはいられなかった。悠人は帰りの遅い父母と、妹とペットである猫のメイと暮らしていた。
「あのー、どちら様で?」
「酷い!忘れたの!? 昨日はあんなお楽しみだったのに!?」
「誤解を招く発言をするな! それに俺はあんたと何て会った事も・・・」
「毎日ベッドで一緒に寝てるのに? いつもベッタリしてるのにここまで言っても気付かないの?」
少女が悠人の言葉を遮るように大きな声を張り上げる。その言葉にハッとした悠人は恐る恐る口を開いた。
「まさか・・・猫のメイか?」
その言葉を言ったら少女が満面の笑みを見せながら口を開いた。
「やっと思い出したのー?悠人は鈍感なんだから~」
黒を基調とした服装で、目が大きくて顔立ちも美少女なその少女は悠人の飼い猫であるメイだった。
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