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「・・・ははは。さて、そろそろ起きたいから退いてくれ」
「もう、いけずぅ~」
メイは悠人に小言を言いながらも素直に退いた。猫であったはずの彼女の身体はきちんとくびれがあり、出るとこも出ていた。 しかも、Tシャツに短パンという事もあってか、より強調されていた。黒髪も艶があり、サラサラ感も見受けられる。
「・・・私の身体に興奮してるの~?」
と悠人の視線に気付いたのか、ニヤニヤとした笑みを作りながらからかうように言った。
「そんな訳ないだろ!」
悠人も反論するが、顔を赤らめながら言っても説得力は無かった。メイはそんな悠人が面白いのか楽しそうに嬉しそうにクスクスと破顔させた。
「分かった分かったっ! じゃ、私は一足先にクロスメトリーに行ってるから後で来てね!」
メイは手を振りながら悠人の部屋を出て行った。悠人はしばらくの間呆然としていたが欠伸をこぼすとおもむろに立ち上がった。
「ふぁ~あ。行くか・・・」
ボリボリと頭を掻きながら悠人もメイに続くように自らの部屋を後にした。
リビングに移動した悠人はテーブルに置かれた黒い物体の元まで歩を進めた。
「・・・クロスメトリーか。何か凄いゲームやっちゃったかな?」
黒い物体を一瞥しながら呟く。一応メイの姿も探すがどこにもいる気配は無かった。どうやらもうあちらにインしたらしい。
「はぁ、行くか」
嘆息をつきながら黒い物体を頭に装着させた。 数瞬の間を置いて、悠人の意識が遠のいていく感覚が滲み出てきた。悠人は身体が徐々に透けていくのを目の当たりにしながら昨日の事を思い出していた。
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