Prologue

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* * * * * 「あのさ、ターキッシュデライト。ちょっと思ったんだけど、……ここはどこなの?」 僕はふと思い出して聞いた。 僕はもしかしたら迷子かもしれない。 そう思ったら急に不安な気持ちになったからだ。 「そうねぇ、ちょっと難しい質問ね。……ところで、不思議だと思わない? さっきからずっと夕焼けが続いているじゃない?」 彼女は質問に答える代わりに僕にそう訊ねた。 「あっ、ホントだ! なんで?」 「なんでだと思う?」 大人の優雅さと余裕を兼ねそろえた声色が僕の耳をくすぐった。 「えー、うーん、そうだなー。お月様が寝坊してるから?」 僕は昔読んだ絵本の挿絵を思い出しながら言った。 言った後に、あれ? と思ったけど、ターキッシュデライトが口を開いたので忘れてしまった。 「ふふう、ロクムは面白いことを言うね。まあこの世界にはたぶんお月様はないけどね」 「ないの!?」 僕は思わず橙色の空を見上げて月を探したけど、見つからなかった。 「たぶん地球じゃあないからねー、ここは」 「えっー! じゃあ、別の星?」 僕はいつの間にかロケットで地球から離れてしまったのだろうか。 「さあ?」 「ターキッシュデライトにもわからないの?」
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