大掃除

2/2
前へ
/2ページ
次へ
 真夜中に家族四人で話し合う。でも、結論なんて出ないし、そもそもみんな疲れていて眠気の方が勝った。  この話は明日に持ち越し。  そう締めて俺達はもう一度眠りについた。 * * *  昨夜の不思議な夢の答えは、翌日早々に出た。  長年ゴミがたっぷりと積まれていたせいか、すっかり傷んでいた床の一部が抜けた。それを直すついでに床下も片づけようと、男三人で床板を剥がしたら、下から夥しい数の動物の骨が出てきたのだ。  どれもこれもすっかり白骨化している。  伯父に、動物虐待の性癖があったなんて聞いたこともないし、父も、昔から動物はかわいがる人だったから、こんなことをするとは…言っていた。  でも、驚いたけれど、これで昨夜の夢が何なのかは判った。あれは、この動物達の感謝の言葉だったのだ。  ちなみに、どかしてくれての意味もすぐに判った。  昨日は大雑把に分類したゴミを、もう少しだけ細かく区分けしようと袋から出したところ、所々に何やら紙切れが貼ってあることが判明したのだ。  伯父の字のようではあるけれど、古ぼけていて読むことができない文字。事実は判らないけれど、もしかしたらこれが、動物達を死してなおここに留めていた原因なのかもしれない。  どうして伯父が、こんなにもたくさんの動物を殺し、床下に捨てたあげく、封印するような真似までしていたのか。まったく判らないけれど、昨夜のあのお礼が夢でないのなら、この動物達はどうやら成仏できたらしい。  あとは、この骨をきちんと片づけて供養してやるだけだ。  そう思い、動物の骨をそつと袋に詰めていく最中、ふいに頭の中に声が響いた。  どかしてくれてありがとう これでわたしもやっとじゆう  家族全員で顔を見合わせ、おそるおそるのように、動物達の骨の下を覗き込んだ。  そこに見えていたのは。  動物達とはまるで形も大きさも違うその骨は…。  伯父さんいったい、何やったんだよ?! 大掃除…完    
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加