第3話

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「危ない!」 俺はすぐに助けに行こうと走るが、距離があって間に合わない。 「【回避】!」 妹がそう叫ぶ。 すると、すでに倒れ掛かっている姿勢にもかかわらず約2歩分後ろへとステップした。 「っは? いやいや、おかしいだろ!? なんだよ今の動き!」 「特技だよ! スキル≪回避性能Lv1≫の特技! 多用はできないけどどんな体制だろうと回避アクションができる便利な特技!」 なるほど特技か。 そういや俺は特技あるのか? 「どうやって特技とか確認できるんだ!?」 「メニュー画面の特技一覧からだよ!」 「メニューの開き方とか知らねぇーよ!」 「人差し指と中指を立てながら横に振れば開けるよ!」 言われたとおりにすると、ステータスや特技一覧、ログアウトなどといったいろいろな項目が現れた。 メニュー開けないとログアウトできなかったのかよ! なら初めにチュートリアル入れろよ運営!! ※後から聞いた話だが、初めの噴水のところでチュートリアルのクエストが受けれるらしい。 俺はさっそく特技を確認する。 「ジャンプしかねぇええ!!」 そんな特技いらない!と思ったが、どうやら特技を使えば普通にジャンプするより高く飛べるらしい。 確認を終えた俺は妹たちに向かって走り出す。 「助太刀するぜ!」 俺は全速力で走り、そのままゴブリンの背後からラリアットをくらわす。 「ギギ!?」 急な襲撃に耐えることもできず、ゴブリンはうつぶせに倒れる。 「【ジャンプ】!」 高く飛びあがった俺は、落下の威力を加えたかかと落としをおみまいする。 その結果、ゴブリンは声を上げる間もなく光となって消えた。
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