第2話

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夕飯の席でも遅れるなとこれでもかとくぎを刺された。 お前こそ寝過ごすなよと言ってやるとさっさと部屋に入っていった。 どんだけ楽しみなんだよ。 翌朝サービス開始5分前。 「じゃあ町の中央の噴水前集合ね! いや、でも初日は混んでそうだから噴水のある広場から見える教会の隣集合ね! マリンって名前の魔法使いが私だから!」 一方的にそういって自分の部屋に帰っていく妹。 俺はそんな妹にため息をつきながらヴァーチャルダイブの電源を入れる。 チッチッと時計の針が進む音だけが聞こえる。 そして10時ちょうどにスタートする。 真っ暗なところだ。 何すればいいんだよと思っていると、どこからともなく声が聞こえてきた。 「ファンタジー・アース・オンラインの世界へようこそ。 ここではアバターの初期設定を行います。 それでは、まずはアバターの外見を設定しましょう。」 無機質な声とともに目の前にウィンドウが現れた。 「設定しろって言われてもほとんどいじれないけどな。」 なんでもリアルとあまりにかけ離れた外見にするとログアウト後に思うように体が動かせなくなるらしい。 なので性別、身長などは変えられない。 顔と体系もほんのちょっぴり動かせるだけだ。 自由にできるのは目と髪ぐらいだろう。 俺はリアルが細いのでできる限り筋肉質にする。 髪は長くし、後ろで一つに縛る。 侍をイメージしたアバターだ。 あくまでイメージで結局ほとんど自分そのままだけど。 「ま、これでいいか。」 「それでは、次は職業を設定します。 一覧の中から選んでください。」
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