第1章

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3日間に及んだ倉庫の片付けを終え、筋肉痛で悲鳴をあげている両腕を 交互にさすり労わってやった。 よくここまで片付けたもんだ。てか何で俺1人でやる羽目になったのか。 手伝うとか言って全然来なかったし。 倉庫から出た時、報酬として1つぐらいもらっても良いんじゃないかと思い 振り返りる。 トーテムポールみたいな服かけ、カラフルすぎるカーテン、カエルの形を した椅子、どっかの民族が身に着けてそうな首飾り・・・。 奇抜で独自センスが煌めく品々を見て笑みがこぼれた。 しばらく眺めたかったが、3日間ほぼ籠りきっりで作業にあたってたのだし、 もう十分だろ。特に何も手に取らず、倉庫のドアを静かに閉めた。 店内へと続く細い廊下をミシ、ミシ、と音を立てて歩いていく。 従業員専用ドアの前まで来て、ゆっくりめで少し開けると、無人の レジカウンター裏と、レジを守っているような感じでディスプレイされて いる西洋の甲冑が視界にはいってきた。 ドアをぐいっと押し込み、その勢いで自分も店内のレジカウンター裏に 入っていく。 店内を見渡し、なずなさんを探すが見当たらない。というか探せない。 コンビニをひとまわり小さくしたぐらいの広さに、ドン・キホーテを 参考にしたかのような商品の陳列で、店内がごちゃごちゃしているからだ。 ため息をつき、ひと間おいてから全商品に向け声をかける。 「なずなさ~ん、終わりましたよ」・・・無音の虚しさが襲う。 「なずなさ~ん、終わりましたよ!」少し強めの声で言うも返事なし。 「まじかよ・・・あの、年増め!散々充労働させておいて自分はどっか 出かけてんのか!」 レジカウンター内に置いてある毒キノコみたいなデザインの椅子に ドカッとすわり、カウンターに肘をつき手にあごを載せる。 店は臨時休業なのでお客が入ってくる心配はない。 「年増め、ほとんど俺1人でやらせやがって・・・」 疲れとイライラで独り言が出てしまう。 「年増め、優しさがないと良い男はよりつかんぞ。むっ、いかんいかん、 疲れとイライラで真実を言ってしまった、ふっ、俺の悪い癖だな」 自嘲気味にかっこよく呟く。 「まあでも俺は超良い男だからな。時々その豊満な胸を揉ませて くれたら、そばにいてやらんでもないがな。ふっ」 なずなさんの魅力的なシルエットを想像しながら、にひるな笑みを浮かべる。
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