prologue

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数秒後。 開きっぱなしのドアから顔を出したのは、少年を脱したばかりの青年、だった。もとい、実際どうかは分からないが、その位に見えた。 赤茶けた長めの髪に、カーキのミリタリーコートを羽織った青年は、ゆっくりと部屋の中を見回し、私を見つけると、にこりと笑って。 「お、お前がここの主だな。」 と、言った。 初対面で、何て失礼な輩だろう。 仮にも、年上である私を、『お前』呼ばわりしようとは。 「名前は?」 近付いてくる青年に、これ以上後ずさり出来ないと分かりつつも、背中を出来るだけ窓にくっつけ、私は「誰が、教えてやるか」と怒ってやった。先ずはそちらから先に名乗るのが筋と言うものであろう。 「ごめんごめん。そんなに怒らなくても、何もしないから。」 言いながらも青年は、私との距離をついに50㎝まで縮めた。 「俺は今日からここに住む事になったKだ。仲良くしてよ。」 ー何!? 驚愕の事実に、私は言葉を失った。 ここに?住む?今日から?誰が?こいつが?私の家に?しかも名前はケーだと?いや、ケイか???
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