後桜

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人であれば死んでいる。 もしくは、かろうじて息はあるとゆう状態だろう。 「さきや、こい... おれの...うつわに...」 「なるか!!!」 「尚隆最後のひとつ見つけたよ。」 「最後は人として最後を迎えればよかったものの、 ほんに馬鹿じゃの。」 「さ...くら...」 「割って。 もう終わりにしてあげて。」 いいながらも涙が伝う。 パリッと最後の玉が割れ、尚隆は動かなくなった。 体だけがまだ残っているが、 「終わったの?」と聞くと、 「最後の魂がこの体の中にある。 俺様が送ってやるよ。」 そう言って虎鉄が尚隆に手をかざすと、 次第に体は砂のようになり、洞窟の上に空いている穴から、 上に...天に昇っていくように消えていった。 その後は虎鉄やお祖父様・兄様は回復するからと湯に。 私と湊・椿姫さんは至るところに札を貼っていく。 本当に良く効くようで、三人も湯から上がり、 傷跡は虎鉄が治していた。 その後洞窟の入り口まで戻り、 湊がなにかを呟くと、轟音とともに中は全てが埋まり、 入り口も閉ざされてしまった。 「ここに来る人ってもういないよね?」 「これからは爺が桜達の洞窟周辺で見張るから大丈夫であろ。 本来であればここで記憶を消して、我らは帰るのじゃが、 そうもいかぬゆえ、屋敷に戻ろうかえ?」と湊をみる。 「全員この結界のなかに。 みんなが入ったら飛びます。」
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