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帰ってきたのは応接室ではなく、
蔵前だった。
「なんでここなの?」
「吾達はまだ薬草や持ち帰ったものを調べねばならぬ。
桜達は今日は疲れたであろ。
少し休むとよい。」
お祖父様にも促されひとまず食堂へ行く。
お祖父様はどこかへ電話をいくつかかけ、
「桜、真紀さんに言って軽い食事をつくってもらってきてくれんか。」
というので、台所へ向かう。
真紀さんに食事と、お客様用のお風呂もお願いし、
食堂へ戻る。
食堂にも冷蔵庫があるため、お祖父様と兄様・叔父様もいつ来たのか、
ビールを飲んでいる。
「なんで飲んでるの...」
「先に前祝いじゃ。」
「はぁ...
真紀さんに頼んできたけど...おつまみもいるよね?」と兄様をにらむと、
「頼む。」と楽しそうに笑う。
仕方ないのでもう一度真紀さんにたのみ、
すぐに持っていけるものをお盆にのせテーブルに置いていく。
「お祖父様...」
「桜ここにおるものはみな知っておること。
儂が人でいられるのも後僅かじゃ。
今は...今だけは好きにさせてくれんか?」
「わかりました。」
しばらく眺めていたが、光輝が来たので話し相手になってもらう。
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